相続による抵当権債務者変更の登記原因証明情報

不動産登記

このコラムは以下の内容に関する
登記原因証明情報等について記載しています。

・抵当権の債務者が死亡した
・相続人の一人が遺産分割協議によって全ての債務を引き受ける
・債権者の承諾あり

先日、抵当権の債務者変更の登記申請をしました。

知ってる、知ってる!とテンション上がりましたが、
受験生時代は「添付書類:登記原因証明情報」と暗記するだけで、
実際何をつけるのかはあまり問題ではなかったので、
いざ書類を作成していると、登記原因証明情報って何つけるの?
遺産分割協議書??と大いに悩みました。

スポンサーリンク

結論

相続による抵当権変更は、報告形式の登記原因証明情報のみで登記できる。

登記原因証明情報 ひな型

報告形式の登記原因証明情報とは、
売買とかでよく使うあれです。

「売ったよー、お金払ったよー、移転したよー」
みたいなことが書かれてある、あれです。

登記原因証明情報

1.登記申請情報の要項
 (1)登記の目的   抵当権変更
 (2)登記の原因   令和 年 月 日相続 ※債務者が亡くなった日
 (3)変更する抵当権 平成  年  月  日受付第    号
 (4)当 事 者
      権利者   (住所)
                   株式会社××銀行 ※抵当権者
      義務者   (住所)
                   みかん ※不動産の所有者
 (5)不 動 産   別紙のとおり

2.登記の原因となる事実又は法律行為
 (1)債務の相続
    本件抵当権の債務者りんごは、令和 年 月 日死亡した。
    りんごの相続人全員は、令和 年 月 日、本件抵当権の債務者を相続人みかんとする遺産分割協議をした。
 (2)債権者の承諾
    抵当権者株式会社××銀行は、同日、前項の遺産分割による債務者の変更を承諾した。
 (3)債務者の変更
    よって、令和 年 月 日、債務者がみかんと変更された。

令和  年  月  日  ××法務局 御中

 上記の登記原因のとおり相違ありません。

   (義務者) 住所
              みかん ※不動産所有者

不動産の表示

ポイント

①これをつければ、遺産分割協議書も戸籍も不要
②債権者の承諾書は不要だが、(2)のように債権者の承諾があった旨の記載が必要

その他申請内容

申請人

権利者:債権者
義務者:不動産所有者

添付書類

・登記識別情報又は登記済証(不動産所有者のもの)
・登記原因証明情報
・代理権限証書(債権者と不動産所有者のもの)

登録免許税

不動産1個につき1000円

まとめ

遺産分割協議により債務を引き付けた場合、
1回の登記で相続人の1人に債務者変更できます。

なので、登記原因証明情報は、一般的な相続登記のように
遺産分割協議書や印鑑証明書が必要と思ったのですが、
こんな簡単な報告形式の登記原因証明情報1枚で登記が完了しました。

コメント