新人司法書士のための決済マニュアル その①

決済

新人司法書士にとっての鬼門。決済。

試験勉強には出てこないけど、
大手事務所に就職したり、即独したりすると、
絶対に避けて通れない。
なのに、実務的な流れがよく分からない。

そんな新人司法書士のために
依頼から決済当日までをマニュアル化しました。

長くなりそうなので、数回に分けます。

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決済とは?心構え

司法書士の世界で頻繁に使われている「決済」という言葉。

なんか皆、「決済決済」って言ってるけど、そもそも決済とは?

基本中の基本ですが、まずは基本的な流れから。

司法書士の世界で言うところの決済とは

決済とは、不動産取引の際、買主が売主に売買代金を支払うことを指します。
そして、対象不動産を売主が買主に引き渡します。

そこに、抹消とか、名変とか、設定とかいろんな要素が絡んできます。

ごくごく一般的な決済の流れのイメージはこんな感じです。
決済日にみんなで銀行(図の「BANK」)に集まって
①から③までお金が流れるのを無事に見届けます。

この図の流れをしっかり理解しておくことが大切です。

不動産決済の流れ

何で司法書士が決済に呼ばれるのか

では、図の流れのどこに司法書士が登場するのか?ということです。それは、

不動産決済司法書士の関わり

司法書士は、銀行に対して「①融資実行して大丈夫ですよ」
と宣言するために決済に立会ます。

「融資実行して大丈夫ですよ」と宣言する責任は重いです。

だって、これで銀行が買主に何千万ものお金を貸すことになるからです。

「融資実行して大丈夫ですよ」と宣言するために確認することは3つです。
1.本人確認
2.意思確認
3.登記できる書類が揃っているかの確認

1.本人確認

売主、買主本人であることの確認が必要です。
ここでの本人確認は権利証を紛失している場合の本人確認ではなく、
一般的な本人確認のことだと思ってください。
・運転免許証等の本人確認書類の原本の提示を受ける
・名前、住所、生年月日、干支などを口頭確認する
・本人確認書類のコピーをとる

2.意思確認

取引する物件と、今回だと「ごぼうからかぶに売買するということで間違いないか?」
という内容を確認します。

3.登記できる書類が揃っているかの確認

最終的に銀行は融資実行をして、その債権について抵当権を設定します。
この抵当権設定登記ができる書類がきちんと揃っているか?
という確認が必要です。

決済当日までの事前準備として、主にこの書類を揃えるための段取りに注力することになります。

決済当日までの事前準備 前提知識

まず、決済の事前準備をするための前提知識から。

前提知識 不動産取引を仕切っている「不動産屋さん」について

「仲介業者」とか「仲介さん」とかって言ったりします。

家を売った買ったと取引するとき、
殆どの場合、不動産屋さんが仲介業者として売主と買主の間に入っています。
不動産屋さんの関わり方として、大きく2パターンあります。

片手仲介

買主と売主に別々の不動産屋さんがついているパターンです。

こんな感じ。

片手仲介

仲介のおくら・ももは、握手するのに片手しか使っていないので
片手仲介とか言われているらしいです。

両手仲介

買主と売主に同じ不動産屋さんがついているパターンです。

こんな感じ。

両手仲介

仲介のももは、ごぼうとかぶ両方と握手するために両手を使っているので
両手仲介とか言われているらしいです。

どちらのパターンかによって、段取りする相手が変わってきますので、
事前知識として覚えておきましょう。

一般的に、買主であるかぶの不動産屋さんから登記の依頼がきます。
「先生、今度●●の取引があるので、登記お願いします」と。
ここからいよいよ段取りがスタートします。

その②へ続く。

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