新人司法書士のための決済マニュアル その①(決済とは、事前準備)はこちら
新人司法書士のための決済マニュアル その②(事前準備)はこちら
新人司法書士のための決済マニュアル その③(事前準備から決済前日まで)はこちら
いよいよ決済当日です。
決済場所(融資銀行に行く)
原則30分前到着
到着時間は、勤務している事務所にもよると思いますが、
私は30分前到着を心掛けています。
※到着時間については「決済立会」何分前行動が正解?に書いてますのでよかったらご参考に
銀行の中のどこの窓口に行けばいい?
融資窓口に行って、こう告げてください。
「司法書士の須玖見留です。○○時から××様(買主仲介業者の会社名)の決済の件で伺いました。△△様(融資銀行の担当者名)いらっしゃいますでしょうか?」
銀行の窓口といえば、一般のお客さんが利用する窓口を想像すると思います。
ずらーっと窓口が並んでいて、
預金の引き出しとか、住所変更とか、払い込みとかで使う窓口です。
そこの窓口とは別で
割と隅っこの方、銀行によっては別フロアに、
一般の窓口とは明らかに雰囲気が違うスペースがあります。
一つ一つの窓口に仕切りがあって、椅子が用意してある窓口です。
キーワードは「融資」です。
必ずそこに行って声をかけましょう。
一般の窓口の行員さんに声をかけると、
行員さんの手間を取らせてしまうし、一般のお客さんに迷惑がかかるからです。
全員集合するまでにやること
銀行の担当者に部屋を案内されます。
部屋に到着したら誰が一番にきてもいいように準備します。
・朱肉、印鑑マット、ボールペン、印鑑ふきを机に並べる
・登記情報、捺印書類を売主買主に分けて用意してすぐ出せるようにしておく
・当日預かる必要書類のおさらいをしておく
これは、一番到着が原則です。
一番に到着して、余裕をもって準備しておきましょう。
いよいよ決済の始まり
![不動産決済当日](https://shihoushoshiblog-snck.com/wp-content/uploads/2021/09/7e719992db60ac9f00c87de1c7ca321e-1024x330.png)
もも、ねぎ、おくら、ごぼうが続々と集合してきます。
誰が最初にくるか分からないので、
きた順にさばいていきます。
挨拶から実行をかけるまでの流れ
1.名刺交換
2.登記情報を見ながら物件の確認
3.本人確認書類の提示を受け、本人確認と意思確認
4.必要書類を預かる
5.捺印書類に捺印をもらう
6.実行をかける
今回は、かぶとごぼうそれぞれに上記の対応が必要です。
同時に来たら、同時に進行していきます。
実行をかける
上記1から5がおわったらいよいよ実行をかけます。
1. もも、ねぎ、おくら、ごぼうが揃っているその場で「それでは書類が揃いましたので今から実行かけます。」と声をかけます。
2.銀行の担当者を探して「書類が揃いましたので実行お願いします」と声をかけます。
※1の時に決済の部屋には銀行担当者はいないことが殆どなので、部屋から出て探します。
その①でも説明しましたが、実行をかけるとはここのことです。
![不動産決済融資実行](https://shihoushoshiblog-snck.com/wp-content/uploads/2021/09/d6f1723e941cae35c8aee8c72b25b592.png)
融資銀行の担当者に
「書類が揃って登記できる状態ですので安心してお金貸してください」と伝えることです。
ごぼうと抹消銀行にお金が入るまでひたすら待つ
「司法書士の力量はここで全てが決まる」
と言っても過言ではないくらい、ここの時間の過ごし方は重要です。
待ち時間の目安は20分から1時間程度
私の最長記録は3時間です。。
この時はいよいよ皆話すことがなくなって、
プライベート暴露合戦みたいになりました。
「私実は離婚経験ありまして、、」とか言ってる方もいらっしゃいました笑
私もここ結構悩んで、会話・雑談についての本とか読んで勉強したので
後日おすすめ本などご紹介できたらなと思ってます。
決済後にやること
抹消銀行から抹消書類を受けとる
ごぼうから抹消銀行にローンの完済がされると、
抵当権抹消登記に必要な書類を受け取ることができます。
・解除証書
・委任状
・権利書
これを受け取って、無事、
登記申請に必要な書類が全て揃ったことになります。
登記申請をする
事前に作成していた書類と受け取った書類を合わせて、
登記申請をします。
※その③でも説明しましたが、登記原因証明情報のPDF添付もれにご注意ください
受領書をFAXする
決済の帰り際に、だいたいこれを言われます。
![設定銀行](https://shihoushoshiblog-snck.com/wp-content/uploads/2021/09/493bb1cc13fb58f19ed80928148b489d-150x150.png)
先生、受領書FAXお願いします
受領書とは | 登記申請をした際に発行される書類です。オンライン申請ならPCでプリントアウトできます。紙申請(法務局の窓口に申請書を提出する方法)なら、提出した窓口で受領書をもらえます。 |
何で受領書を送るの? | 融資銀行がお金を融資する時点の状況は「抵当権を設定できる書類はそろっているが、まだ抵当権設定登記を申請していない、無担保の状態」です。銀行にしてみたら一刻も早く、抵当権設定登記申請をしたという証拠が欲しいのです。なので、登記申請をしたときに発行される受領書をFAXします。 |
どの手続きの受領書? | 上記の説明のとおり、銀行がほしいのは「きちんと抵当権設定登記申請をした」という証拠です。なので、基本、銀行に受領書FAXください。と言われたら抵当権設定登記の受領書のみFAXします。 |
たまに、仲介さんからも受領書をお願いされることがあるので、
そのときは、移転?設定?どの手続きの受領書がほしいか確認しておくるようにしましょう。
添付書類などを管轄法務局に持参又は郵送する
半ライン申請(申請はオンライン、添付書類は紙)なら添付書類を、
管轄法務局に提出が必要です。
最後に
以上、決済について4部構成でご紹介しました。
決済って失敗できないし、段取りが大変だし、
当日の独特の緊張感とか、何を話したらいいか分からないとかで、
私は最初すごく苦手でした。
しかし、毎月毎月、毎週毎週、決済立会を繰り返すことで
慣れてきました。
そして今となっては、色んな人と出会えて、お話できて、
むしろ面白い!行きたい!と思うまでになりました。
何事も慣れです!
そしてこの記事が少しでもその助けになればと思っています!
楽しんで決済いってらっしゃい(^^♪
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