決済と同に行う抵当権抹消の流れや書類受け取りのコツなどをまとめました。
結論
①とにかく抵当権抹消は決済と同時に行う
②微妙な距離の銀行には近くで受け取れないか素直にお願いしてみる
では、詳しく見ていきましょう。
なぜ、抵当権抹消は決済と同時にするのか
売主の抵当権抹消は、原則、決済と同時に行います。
それは、決済のお金の流れと関係しています。
下の図は、決済のお金の流れのイメージです。
①⇒②⇒③のとおり、
売主ごぼうが住宅ローンでお金を借りてい る抹消銀行に
最後にお金が流れてきます。
では、抹消銀行の立場になって考えてみましょう。
ごぼうから住宅ローンを全額返済してもらっていないのに、
抵当権を抹消するための書類を渡したいでしょうか?
え、絶対やだけど
そうです、お金を返してもらってないのに、
大切な権利書とか絶対渡したくないですよね。
渡したくないというか、常識的に考えて渡せないですよね。
では、次は買主かぶの立場になって考えてみましょう。
売主ごぼうの抵当権がついている家を購入したいでしょうか?
え、そんな家いりません
温厚そうに見えて意外とはっきり言うタイプです。
最後に設定銀行の立場になって考えてみましょう
設定銀行は2番抵当で多額の融資を実行するでしょうか?
するわけないでしょ、1番以外考えられないね
当然ですね。
この三者の折り合いをつけるために、決済というイベントがあり、
司法書士は死ぬ気で決済当日に抹消銀行から書類を預かり
同時(抵当権設定登記より前)に抵当権抹消登記を入れる必要があるのです。
決済で絶対に失敗できない理由
三者の折り合いをつけるとは、どういうことか?
それは、決済の場で司法書士が設定銀行に
1番抵当権を設定できる書類が全てそろいまいた。
安心して融資実行してください。
と先に融資してもらうよう「絶対1番抵当権宣言」をするのです。
※分かりやすく1番抵当権と記載してますが、もちろん1番じゃない場合もあります。
その言葉を銀行は信用して登記する前に買主にお金を貸すのです。
そして①⇒②⇒③とお金が流れて、
無事、売主ごぼうが抹消銀行に住宅ローンを完済します。
信用してもらったからには、絶対に失敗できません。
これが、司法書士事務所が決済が立て込む月末にぴりぴりする理由です笑
抹消銀行から書類を受け取る
ここからは、ローンを完済してもらって「書類を渡していいよ」
という状態になった抹消銀行からの書類の受け取りについてです。
原則 抹消銀行まで取りに行く
原則、抹消銀行まで書類を受け取りに行きます。
事務員さんに行ってもらうことが殆どかなと思います。
取りに行けない距離じゃないけど、地味に遠い場合
これが、すごい微妙。
取りに行けない距離じゃない、
けど、1時間かけて抹消書類を取りにいくのか。
決済が立て込んでいる月末に。
そんなときに、もしかしたら近くの支店で受け取れるかも!?
というコツをお伝えします。
近くの支店で受け取れないかお願いしてみる
本当に恐縮なのですが、近くの支店で受け取れませんか?
日本人の不得意分野。
グレーゾーンに踏み込むこと。
「そんなことお願いしていいの?」って思われるかもしれませんが、
銀行によっては、事務所の近くの支店まで送ってくれて、
決済当日近くの支店で受け取れたりします。
お願いするときの注意
銀行にしてみたら、「えー」ってかんじで
結構面倒なお願いだと思います。
・基本、無理だと思って下手でお願いしましょう。
・決済直前にお願いするのではなく、「はじめまして」の電話のタイミングでお願いしましょう。
以上、よかったら次の決済の時に使ってみてください(^^♪
グレーゾーンに踏み込む勇気!!
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