登記の依頼を受けて、登記情報を取得して
どきっとしました。
役所の「差押」が入っていたのです。
どうしたらいいのでしょうか。。
この記事はこんなときに役立ちます。
・売買対象不動産に役所の「差押」や「参加差押」などが登記されている
・売買代金で役所に返済する
結論
まず、ざっくり結論です。
決済当日に売買代金で役所に滞納金を返済して
差押抹消⇒移転
の流れをとる場合、司法書士側で差押抹消登記に関与しません。
お金と登記の流れの段取をしっかりやっておけば大丈夫です。
差押登記とは
差押の登記とはその名のとおり、
不動産が何等かの原因で差押えられたときに入れられる登記です。
「差押」ときくと、すぐに追い出されてしまうような気がしますが、
そんなことはありません。
差押というのは、あくまで「この不動産を処分(売ったり)できないよ」
というものなので、そのまま普通に住み続けることができます。
もちろん、抵当権を設定したりもできます。
因みに、差押の登記は当事者や司法書士が申請するのではなく、
競売開始決定が下されると、裁判所書記官が差押登記の嘱託をします(民事執行法48条1項)
差押の種類
種類というか、差押の原因によって登記内容に違いがあります。
滞納処分 | 差押 |
強制競売 | 強制競売開始決定 |
担保権の実行 | 担保不動産競売開始決定 |
例えば、表の一行目のように、
税金を滞納して役所から不動産を差し押さえられると
「差押」という登記が入ります。
こんなかんじ。
差押の登記が入っている場合の決済の流れ
普段の決済にプラスで役所とのやり取りが入ります。
仲介の不動産屋さんによって積極的にやってくれるところと、
「よく分からないから先生段取りお願いします。。」
と言われることがあります。
どちらにしても、いつもの移転設定の登記申請をする前に
差押の抹消登記申請したよという
「受領書」と「受付番号」をきちんと確認することが必要です。
1.登記情報を確認する
登記情報で差押の登記を確認して、
どこの役所が債権者債権者なのかを確認します。
2.差押している市町村に電話する
債権者である役所の電話番号をネットで調べて電話します。
確認することは次の4つです。
①滞納金額
②振込口座
③決済日時
※①~③は不動産業者さんが役所と確認してくれていることが多いです。
④登記申請についての確認
・申請方法はオンライン申請でいいか確認する
※役所側からオンライン申請でいいですか?と言ってくると思います。今は殆どオンライン申請だそうです。
・決済日時を確認して役所に着金があるおおよその時間を伝えておく
・当日は受領書をもらって移転設定をすると伝えてメールアドレスかFAX番号を聞いておく
3.決済当日
①決済当日は抹消銀行と同じ感じで役所にも着金確認する
②差押の抹消登記嘱託書のメールかFAXをもらったらいつも通りこちらの登記申請をする
※他事務所とやるときのような連件申請ではありません
4.登記完了
いつも通りに登記完了を待ちます。
移転設定が終わっても差押抹消が終わっていない場合、
登記処理中で謄本が取れず
謄本取得まで少し時間がかかることがあります。
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