買主さんに登記のご依頼をいただいて
物件調査をしたら、売主さんがビッグなあの企業だった。
なんと、その企業が権利証を紛失しているらしい。
本人確認であの名物社長に見初められて夢の玉の輿。
抵当権の抹消しようと思ったら
お客さんが銀行から送られてきた権利証を失くしてしまっていた。
銀行の「頭取」にお目にかかれるかも
というただならぬ予感に興奮する。
妄想はいくらでも膨らみますが、
結論、あのビッグな社長にも頭取にも会うことはできません。
業務権限証明書を添付する
じゃあ、会えないのにどうやって本人確認するの？
答えは、「代表者に代わるべき者と面談をして、業務権限証明書を添付する」です。
まず、原則
権利証がない場合、売主さん本人にお会いして本人確認情報を作成・添付します。
業務権限証明書をつける場合のいつもと違うポイント
①本人確認情報の記載方法（義務者の欄を抜粋）
１．申請人 登記義務者
本店 東京都世田谷区○○××
商号 株式会社すぐみる
上記代表者
住所 東京都品川区○○○○××
資格 代表取締役
氏名 須玖見留（ここは登記上の代表者の名前）
生年月日 昭和〇〇年〇月〇日
上記代表者にかわるべき者
（↓ここに業務権限を受けて実際に面談した人の情報を記載する）
住所 東京都渋谷区○○‐××
資格 ××部 部長
氏名 須玖見呂
生年月日 昭和〇〇年〇月〇日
②添付する書類
・上記の本人確認情報
・業務権限を受けて実際に面談した人の免許証等
※今回の場合だと須玖見呂の免許証等が必要です。
・業務権限証明書
・法人の印鑑証明書（添付省略可）
③業務権限証明書ってどんなもの？
今回の場合だと、須玖見留⇒須玖見呂に
今回の不動産取引について、代表者に代わる権限を授けようではないか
という内容が書かれていればOKです。
↓こんなかんじ
業務権限証明書
住所 東京都渋谷区○○‐××
資格及び氏名 ××部 部長 須玖見呂
上記の者は、当社の社内規定により、当社所有の下記不動産について、
買主との売買契約の締結、物件の引渡、代金の受領及び登記手続きに関する業務権限を有し、
代表者に代わるべき者であることを証明いたします。
なお、権限の範囲は、下記に明示する不動産に限るものとします。
不動産の表示
東京都目黒区○○番×の土地
東京都目黒区○○番□の土地
令和 年 月 日
住所 東京都世田谷区○○××
氏名 株式会社すぐみる
代表取締役 須玖見留
※法人実印をお忘れなく
ご依頼から面談までの流れ
今回のようなビッグな会社は「法人実印を持ち出せない」のが現状です。
そんなときは、事前に捺印書類を送っておくとスムーズです。
以上を踏まえた、ご依頼から面談までの流れです
①必要書類を案内し、代表者に代わる方との面談日を取り付ける
②面談日までに捺印書類をメール又は郵送しておく
③面談して本人確認＋捺印書類を受け取る
最初はどきどきしますが、
こうやってまとめてみると
事前の段取りと、当日の本人確認さえしっかりしておけば
そんなに臆することはありませんね(^^♪
ちなみに、権利証紛失の場合、ほかにも手段があります
・事前通知
・公証役場で本人確認
コメント