原本還付と前件添付で頭が混乱しています

不動産登記

実務に入って混乱したこと。
それは「原本還付」と「前件添付」です。
何回も何回も事務員さんに聞いて、
やっと最近申請書に「(前件添付)」と胸を張って書けるようになりました。

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原本還付とは

その名の通り、原本を還付してほしいときに行う処理のことです。

原本還付できる書類

・遺産分割協議書につけた印鑑証明書
・戸籍系
・住民票、住民票として付けた印鑑証明書
・他でも使う委任状(複数管轄申請あるけど委任状が1枚しかないときに使いまわす場合等)

原本還付できない書類

・不動産登記の義務者用としてつけた印鑑証明書
・株主総会議事録につけた印鑑証明書

前件添付とは

前件添付とは、連件申請するときに、2件目につけるべき添付書類を、
1件目につけている書類を援用すること
です。
2件目の添付書類に「印鑑証明書(前件添付)」と記載します。

法務局的には、前件添付できるときは、
わざわざ2件目につけずに前件添付してほしいとのことです。

分かりづらいので事例でみていきます。

事例別 原本還付と前件添付どっちにしたらいい?

事例①原本還付も前件添付もできる場合

<1/2> 
所有権移転
権利者ばなな 義務者りんご

<2/2>
共有者全員持分全部移転
権利者ばなな 義務者りんご、みかん

この2件の登記を連件申請するとします。
このときに、住民票は原本還付でも前件添付でもいけます。

原本還付する場合の考え方

ばななの住民票のコピーを1件目にも2件目にもつけて「原本還付処理する」
これは理屈的には、1件目で原本還付した住民票を2件目につける。ということです。

前件添付する場合の考え方

ばななの住民票を1件目にだけつけて、
2件目は「住民票(前件添付)」として何もつけない

法務局的には、
原本還付でも前件添付でもいける場合は、前件添付にしなさいよということらしいです。

事例②原本還付ができない場合

では、先の例で、
りんごの印鑑証明書は
原本還付と前件添付どちらでもいけるのかというと、
前件添付しかできません。

なぜなら印鑑証明書は原本還付できないので、
「1件目で原本還付
した印鑑証明書を2件目でつける」
ということができないのです。

なので、印鑑証明書の場合は前件添付の方法しかとれないのです。

事例③ 前件添付ができない場合

事例②とは逆に、前件添付ができない場合もあります。
なぜなら、前件添付には「共通する添付情報があるときは」というルールがあるからです。

(不動産登記規則第37条)

同一の登記所に対して同時に2以上の申請をする場合において、各申請に共通する添付情報があるときは、当該添付情報は、1の申請の申請情報と併せて提供することで足り
この場合においては、当該添付情報を当該1の申請の申請情報と併せて提供した旨を他の申請の申請情報の内容としなければならない。

例えば、

<1/2>
所有権移転
権利者ばなな 義務者りんご

<2/2>
抵当権設定
権利者みかん 義務者ばなな

この場合、1件名の所有権移転登記で
ばななの住所証明書として印鑑証明書を付けたとします。

すると 2件目の抵当権設定登記の義務者用として添付すべき印鑑証明書は
1件目の住所証明書としてつけた印鑑証明書を援用(前件添付)できない
のです。

住所証明書として付ける印鑑証明書と義務者用としてつける印鑑証明書は
「共通する添付情報」ではないから
です。

なのでこの場合は、1件目の住所証明書(印鑑証明書)を原本還付して
2件目に添付する必要があります。

まとめ

最初のうちは色々と考えることがあるように思えて混乱しますが、
次の2つのステップで頭の中を整理します。
一、前件添付できる(援用できる)申請かを考える
できないなら
二、原本還付できる書類かを考える

別に間違ってたからといって
取下になったりするものではないのですが、
いちいち調べたりする時間ももったいないので
一度ばしっと頭に入れてしまえば
その後が楽です(^ ^)

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