あの緊張感と、数秒を争う空間で、
利益相反を見破ることに比べたら、
実務で利益相反を見破るなんて、容易いことだ。
と思っていましたが、撤回します。
事実、見落としたことがあります。
受験勉強の中で自分なりの考え方や見破り方を編み出したにも関わらず、
見落とすときがある。
利益相反の呪縛から逃れるために、
少しでも参考になれば。
まずは、利益相反取引とは
ますは、「利益相反取引とは?」というところです。
会社法356条1項にこんな風に書かれています
取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、
その承認を受けなければならない。
この「次に掲げる場合」というのが利益相反取引ということです。
次とは↓↓
内 容 | |
①会社法 356条1項2号 | 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。 |
②会社法 356条1項3号 | 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において 株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。 |
①=直接取引
②=間接取引
といやつです。
利益相反か否か!?実例で考える
ここからは実例で考えていきます。
書き出したらきりがないくらい色んなパターンがあるけど、
よく登記の依頼がくるのは3パターンくらいかなと思います。
レベル1 直接取引
例)株式会社Aとその会社の取締役aが不動産の売買取引を行った。これは、、
朝飯前、利益相反です。
どっちが売りでも、とっちが買いでも利益相反です。
レベル2 間接取引①
例)債務者 株式会社くだものの取締役うめ
担保提供者 株式会社くだもの
抵当権や根抵当権など設定する。これは、、
利益相反です。
私は、こーゆーやつは全部視覚的なイメージを膨らませるために図を書きます。
こんな図
これ、会社が取締役に刺されてますよね。
なので利益相反です笑
は?って思われたかもしれませんが、
かっこつけず、こーゆー覚え方が一番理解しやすいです。
レベル3 間接取引②
例)債務者 株式会社やさい
担保提供者 株式会社やさいの取締役ねぎ
抵当権や根抵当権など設定する。これは、、
利益相反ではありません。
先程の図を書くと、会社は刺されてません。
指してる側なので、利益相反ではありません。
レベル4 直接取引
これが実務で結構あるけど、理解が難しい。
売主 株式会社くだもの
買主 株式会社やさい
これは、図を正しく書くことが肝。
<図の書き方>
①それぞれの会社名の下に代表取締役の名前を書く
②代表取締役の名前の下に取締役の名前を書く
③売主(今回は株式会社くだもの)の気持ちで考える
「相手(株式会社やさい)の代表取締役ねぎ がうちの会社の取締役にいないか?」
⇒いたらこいつはスパイ。
⇒スパイがいるので、総会でこの取引を行っていいかきちんと決議をとる必要がある。
⇒なので、株式会社くだものの総会議事録が必要。
④買主(今回は株式会社やさい)の気持ちで考える
「相手(株式会社くだもの)の代表取締役みかん がうちの会社の取締役にいないか?」
⇒いたらこいつはスパイ。
⇒スパイがいるので、総会でこの取引を行っていいかきちんと決議をとる必要がある。
⇒なので、株式会社やさいの総会議事録が必要。
レベル4 問題
問題です。
売主 株式会社くだもの
代表取締役:うめ
取締役:うめ、みかん、かぶ
買主 株式会社やさい
代表取締役:ねぎ
取締役:うめ、ねぎ、かぶ
さて、この取引は利益相反取引でしょうか??
図を書いて考えてみてください。
こんなかんじの図になるかなと思います。
今回のスパイはうめなので、株式会社やさいで総会決議が必要です。
私はこの方法がハマってから利益相反を簡単に見破れるようになりました。
試験対策とかでも使えると思うので、
ぜひ試してみてください(^^)/
コメント