初めて医療法人から登記依頼がきたとき、
正直、びびった。
だって、試験勉強で出てこなかったから。。
そして、『医療法人』というなんとも高尚な響きと、
勝手に財前教授みたいな人をイメージして、
「絶対に失敗できない」と追いつめられる。。
医療法人の登記依頼は殆ど2パターン
おそるることなかれ、
医療法人の登記依頼はだいたいこの2つなのです。
・資産総額変更の登記
・理事長重任の登記
資産総額変更の登記
医療法人の登記事項に「資産の総額」という欄があります。
これは、医療法人の毎年の純資産の額になります。
そう、純資産て、毎年かわりますよね。
なので、毎年変更登記が必要なのです。
それでは、依頼から実際の登記申請までをご紹介します。
登記依頼から登記申請までの流れ
1.見積もりを出す。登録免許税は非課税なので、報酬だけ考えます。
2.必要書類を案内する
3.捺印書類を作成し捺印してもらう
4.3の来所日程調整や郵送の手配などをしている間に申請書を作成しておく
5.登記申請をする
です、では2から見ていきましょう。
必要書類を案内する
お客様にご準備いただく書類は1つだけです。
財産目録・・貸借対照表をもらいます。
捺印書類を作成する
作成する捺印書類は委任状だけです。
可能な限り、捨印をもらうようにしましょう。
委任状は法務局のホームページを参考に作成したらOKです。
登記申請書を作成する
これも、法務局のホームページ通りに作成したらOKです。
申請書作成のポイント
・資産総額変更だけする場合は、添付書類は「財産目録」と「委任状」だけ
・資産の総額は貸借対照表に記載された↓②の「純資産の部」の金額
・原因年月日は↓①の日付
・添付する貸借対照表に↓③のように記載する(捺印不要)
ところでこの法務局のホームページ、
資産総額変更登記と理事長重任登記が一緒に記載されています。
なぜでしょう?
理事長の重任登記
医療法人の理事長の任期は2年です。
なので、2年に1度は「資産総額変更登記+理事長の重任登記」を一緒に申請します。
そのため、法務局のホームページには
一緒に申請する場合の申請書のひな型が載っています。
登記依頼から登記申請までの流れ
ここは、資産総額変更と一緒です。
1.見積もりを出す。登録免許税は非課税なので、報酬だけ考えます。
2.必要書類を案内する
3.捺印書類を作成し捺印してもらう
4.3の来所日程調整や郵送の手配などをしている間に申請書を作成しておく
5.登記申請をする
です、では2から見ていきましょう。
必要書類と確認事項を案内する
私が理事長重任登記の依頼がきたときにいつも確認していることです。
・定款のデータ(任期などを確認するため)
・今回選任予定の理事及び理事長の名前
・総会の日付が決まっていればその日付
重任日や総会日についてのポイント
<初めての重任>
定款の最後の方に『最初の理事の任期は・・ 』 みたいな感じで書いていることが多いので、
まずそこを確認します。分からなかったらお客さんに確認しましょう。
<2回目以降の重任日>
前回の重任日と同じ日付が重任日です。
例)前回、令和1年8月1日に重任している場合、今回の重任日は令和3年8月1日
<総会日付>
社員総会の日付など、「とくにいつでもいいけど、いつがいいかな?」
とお客さんから逆にきかれることがあります。
その場合、重任日の前日がいいかなと思います。
そして、就任承諾書の日付を重任日にします。
いろんな日付で申請しましたが、この日付がどこの法務局からも指摘がないです。
捺印書類を作成する
捺印書類は以下のとおりです。
社員総会議事録 | 医療法人の登記事項は理事長のみですが、理事長の前に社員総会で理事を選任する必要があります。そのときの社員総会議事録を作成します。<捺印不要> |
理事会議事録 | 上記社員総会で選任された理事で理事会を開き、理事長を選任します。そのときの理事会議事録を作成します。<法人実㊞+各理事の認印> |
就任承諾書 | 理事と理事長の就任承諾書を作成します。理事は登記事項ではありませんが、理事の就任承諾書(理事長分のみ)も添付が必要なので作成します。 <捺印不要> |
医師免許の写し | 医師免許のコピーの余白に「医師免許の写しに相違ない 理事長××」と記載してもらいます。 <捺印不要> |
委任状 | 登記の委任状です。<法人実㊞> |
申請書を作成する
これは、法務局のホームページどおりでOKです。
※理事長重任のみの場合、財産目録は不要です。
最後に
私の経験ですが、
病院の先生は、忙しい方が多く、とにかく捕まらない。。です。
なので、段取りよく、二度手間にならないように
事前の説明や捺印書類などもれがないよう注意しています。
少しでも、医療法人から登記依頼きた方の参考になればと思っています(^^♪
因みに、医療法人の設立登記についてはこちらにをご覧ください。
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