学校法人の理事長重任登記で注意すること

商業登記

初めての学校法人の理事長重任記。

「補正になってたまるものか」と慎重にすすめましたが、
やっぱり補正の連絡がきました。
二度と補正にならないように残します。

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結論

学校法人の理事長重任登記の依頼があったら
1.重任登記は必要か?
2.必要な場合、選任機関はどこになっているか?

を寄附行為で確認して、
寄附行為に記載している通りの選任機関の議事録を作成する。

重要な条文

学校法人の理事の任期や選任方法については
この私立学校法38条をもとに 寄附行為(定款みたいなもの)
を作成しています。
なので、株式会社の役員とは重任の考え方が少し違います。

(役員の選任)
第38条 理事となる者は、次の各号に掲げる者とする。
一 当該学校法人の設置する私立学校の校長(学長及び園長を含む。以下同じ。)
二 当該学校法人の評議員のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者(寄附行為をもつて定められた者を含む。次号及び第44条第一項において同じ。)
三 前二号に規定する者のほか、寄附行為の定めるところにより選任された者

そもそも理事長重任の登記は必要?

私立学校法第38条第1項第1号によると、校長は当然に理事となります。
なので、校長である限り、当然に理事なので、任期はないという考えになります。

そしてこの任期がない理事(校長)が理事長の場合、
理事長としての退任事由も生じないので、理事長重任登記は不要となります。
(何か別で理事退任事由がある場合は、もちろん理事長も退任となります)

理事長重任登記が必要な場合

誰をどの機関で選任するか?を 寄附行為で確認していきます。

寄附行為は、冒頭で記載した38条をもとに作成するので、
学校法人の 寄附行為は、だいたいこんな感じになっています。
私が対応した法人さんもこんな感じでした。(人数は事例として記載しています。)

第7条 この法人に、次の役員を置く。
(1) 理事 7人
(2) 監事 ○人

第8条 理事は、次の各号に掲げる者とする。
(1) 校長
(2) 評議員のうちから評議員会において選任した者  3人
(3) 学職経験者のうち理事会において選任した者   3人

この場合、評議員会で選任するのは、理事3名のみです。

評議員会理事を3名選ぶ
理事会理事を3名+理事長を選ぶ

この8条を見落として、株式会社の感覚で
7名選任している議事録を提出したら、
「評議員会で理事7名選任してるけどこれだめだよー」
って補正の連絡がありました。
本当だ、、見落としていた、、

今回は、あまりなじみのない学校法人の登記についてでした。
わたしは、こういうレアなやつを
定款とか寄附行為とか読み解きながら解決していくのは結構好きです(*^^*)

おすすめ書籍も載せておくので、よかったらご参考にされてください。

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