「医療法人の設立」って、すごく難しそうに聞こえますが、
登記申請自体はそれほど難しくありません。
なぜなら、医療法人の設立登記は、
事前に認可取得が必要で、その認可取得時に内容を決めているのです。
なので株式会社等の設立と違い、
「認可されたので登記お願いします」と依頼がきてから
目的は?商号は?役員は?等と決める必要がないのです。
医療法人設立依頼がきたときの流れ
「医療法人の設立登記をお願いしたいのですが」
と依頼がきたときに私が実際にやっている流れです。
①見積作成
②捺印書類作成に必要な認可のデータをもらう
③捺印書類お渡しと本人確認
④捺印書類と一緒に認可書や印鑑証明書の原本を受け取る
⑤申請書作成
⑥登記申請
ひとつずつ確認していきます。
①見積作成
医療法人設立の見積作成で必要な情報は
「法人実印等印鑑作成をどうするか?」です。
実費が変わってくるからです。
※印鑑発注を請け負っていない場合は、内容によってそれほど見積が大きく変わることはないかと思います。
もう1点、この時に「理事長の3か月以内の印鑑証明書が必要」
な旨を伝えておくとスムーズです。
株式会社等と違い登記申請書には添付不要ですが、
印鑑届で必要になります。
②捺印書類作成に必要な認可書のデータをもらう
認可書はかなり量が多く、登記申請では不要なところもたくさんあります。
なので、相手の負担を考えて、必要な部分だけデータをもらうようにしましょう。
・表紙:法人名や認可書をきちんと取得したか?等、基本的なことを確認します。
・定款:委任状作成のために法人名、本店所在地、理事長名等を確認します。
・理事長の印鑑証明書:就任承諾書、印鑑(改印)届出書作成のために確認します。
・認可書受領日の確認:データをもらうわけではありませんが、委任状作成のためにこのタイミングで確認しておきます。
③捺印書類お渡しと本人確認
まず、医療法人設立の添付書類は以下のとおりです。
・定款
・理事長の就任承諾書
・資産の総額を証する書面
・認可書
・委任状
・印鑑(改印)届書
・印鑑カード交付申請書
※定款で理事長を定めていない場合には、理事長選出証明書が必要みたいですが、すみません、私はその方法でやったことがないので割愛します。
この中で登記用として作成する捺印書類は以下の通りです。
〇委任状
〇印鑑(改印)届書
〇印鑑カード交付申請書
△理事長の就任承諾書
※捺印は不要ですが、私はついでに作ってお渡ししています。作成するのにそんなに時間もかかりませんし、念のために。
上記以外の定款と資産の総額を証する書面は認可書を援用します。
(対象ページのみコピーして原本還付処理する)
そして、この捺印書類お渡しと一緒に本人確認もします。
④捺印書類と一緒に認可書や印鑑証明書の原本を受け取る
印鑑照合と印鑑証明書の期限に注意しましょう。
⑤申請書作成
申請書記載例はこちらの記載例を確認します。(法務局HP)
他の法人と違うところとしては、
認可書を受領した日の記載が必要なので、
②でヒアリングを忘れないようにしましょう。
⑥登記申請
登記申請というか、
完了後謄本の「法人の成立年月日」には、
登記申請日が記載されます。
認可書受領日や認可の日ではないので、
お客様に案内する場合は間違わないように注意です。
まとめ
医療法人設立依頼時に実際にやっている流れを書いてみました。
申請書作成や捺印書類は、
ソフトを使ったり法務局のHPを確認しながらできます。
けど、「まず何をしたらいいんだろう、、」と
私が実際に困ったので、まとめてみました。
医療法人の資産総額変更や理事長重任登記についてはこちらをご覧ください。
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