同じ銀行の抵当権を順位変更して同順位にするとき「合意証書」っておかしいよね

不動産登記

1番抵当権と2番抵当権を順位変更して同順位にしてとご依頼。
「登記原因証明情報そちらで作成していただけませんか?」
と銀行の担当者に言われて
「もちろんですうー」って安請け合いしたけど、
よく考えたら同じ銀行同士で「合意証書」っておかしくない?と後から気づく。。
また今日も始まった、「これどうしたらいいん。。」

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合意証書ではなく「変更証書」が登記原因証明情報になる

早速結論ですが、登記原因証明情報は
こんな感じでいいみたいです。

抵当権順位変更証書

令和  年  月  日

    抵当権者(←順位変更する銀行の情報を記載します)
      住 所     東京都○○区××
      氏 名     △△銀行
      代表取締役   □□××

   当事者は、後記物件について次のとおり抵当権の順位の変更をしました。

    (変更後の順位)
     第1(あ) 2番抵当権
     第1(い) 1番抵当権

    不動産の表示
     所  在
     地  番
     地  目
     地  積

順位変更の登記原因と申請人

すごく基本的なことなのですが、念のため記載しておきます。

登記原因

冒頭にも記載しましたが、同じ銀行で「合意」っておかしい。
なので、登記原因は「変更」になります。

異なる銀行同士の順位変更 令和  年  月  日合意
同じ銀行で順位変更 令和  年  月  日変更

申請人

売買の登記等と違い、「権利者と義務者」という構成にはなりません。

申請人   東京都○○区××
      △△銀行
      代表取締役 □□××
      会社法人等番号
      登記識別情報の有無:有り

      東京都○○区△△
      〇 〇 銀行
      代表取締役 ✕ ✕ 〇〇
      会社法人等番号
      登記識別情報の有無:有り    

その他、順位変更で必要な書類

順位変更の必要書類です。

  • 登記原因証明情報
  • 登記識別情報または権利証
    ※順位が上がる人の分も下がる人の分もすべて必要
  • 代理権限証明書
  • 承諾書(利害関係人がいる場合)

順位変更の登録免許税

被担保債権の数×不動産の数×1000円です。
例えば、、

順位変更 登録免許税

この場合、
被担保債権:4
不動産:2
なので、4×2×1000円=8000円

抵当権順位変更の一括申請

登録免許税の例の図は一括申請が可能です。
順位変更一括申請は次の場合可能です。
・同一管轄の不動産
・変更後変更前の順位が同じ

なので、この場合は一括申請できません。

順位変更一括申請

元々ついている抵当権の順位が違うからです。
この場合、別々に申請が必要です。

こんな感じ。

(1件目:建物)

変更後の順位 第1 4番抵当権
       第2 3番抵当権

(2件目:土地)

変更後の順位 第1 2番抵当権
       第2 1番抵当権

まとめ

色々とかきましたので、最後にもう一度結論です。

同じ銀行の抵当権の順位変更をする場合、
「令和  年  月  日変更」とし、
登記原因証明情報として「抵当権変更証書」をつける。

でした~。

ちなみに私は相手が言いづらそうにしているときほど
「もちろんです!!」とすぐに受け入れることを心掛けています。

そうすることで、自分にもいい運気が回ってきている、、
気がします^ ^

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