管轄外本店移転の実務(流れ・印鑑届・印鑑カードなど)

商業登記

管轄外の本店移転って、
なんとなく「あぁ、ややこしいな」と思いがちです。

少しでも苦手意識がなくなるように、
私が管轄外本店移転で悩んだり迷ったり躓いたりしたことをまとめました。

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管轄外本店移転の書類の動き

管轄外本店移転の登記申請はこんなイメージです。

①旧本店管轄に、「旧管轄申請書」と「新管轄申請書」どちらも申請します。

②旧本店管轄から新本店管轄に委任状等が送られます

③登記完了後、旧本店管轄から原本還付した書類を受け取ります

④登記完了後、新本店管轄で印鑑カードを受け取ります

この流れから、こんなことが分かります。

商業では珍しい「連件申請」になる

不動産では当たり前のように連件申請をしていますが、
商業登記では珍しい連件申請をします。

1件目:旧本店管轄への申請
2件目:新本店管轄への申請

委任状は2通もらう

②で福岡から佐賀に委任状が送られます。
これは、2件目の新本店管轄の申請書に添付した委任状です。

管轄外本店移転では旧本店管轄用と新本店管轄の
2通の委任状に捺印をもらう必要があります。

そして、新管轄の添付書類は委任状のみです。

申請書の書き方

宛先登記所と登記事項の書き方に注意が必要です。

宛先登記所の書き方

これはもしかしたら「権」を使ってる場合だけかもしれないので
他のソフトを使われてる方はそれぞれマニュアル等ご確認ください。

連件申請をする際に、宛先登記所が異なるとエラーになります。
なので、宛先登記所はこのように記載します。

(旧本店管轄:福岡/新本店管轄:佐賀の場合です)

1件目:福岡法務局御中
2件目:福岡法務局御中
    経由有(管轄登記所)佐賀地方法務局

登記事項

昔は新本店管轄(2件目)の申請書に商号や目的等、
いろいろ記載が必要でしたが、現在はすっきりこんな感じでOKです。

<1件目>
「登記記録に関する事項」
令和〇年〇月〇日佐賀市××に本店移転

<2件目>
「登記記録に関する事項」
令和〇年〇月〇日福岡市××から本店移転

申請書の綴じ方と提出方法

1件目と2件目、それぞれいつもの表紙と印紙を添付する用紙を作成して、
それぞれホチキスして旧本店管轄の法務局に提出
します。

改印届書と印鑑カード交付申請書は
私は、別でリップでまとめて
一番後ろに入れてます。

(正式な方法か分かりませんか特に指摘されてことはありません)

申請書の綴じ方や提出方法は、
不動産登記の連件申請と同じです。

印鑑(改印)届書と印鑑カード交付申請書の注意点

管轄外本店移転をすると、
印鑑(改印)届書と印鑑カード交付申請書の提出が必要です。

印鑑(改印)届書

印鑑を変更しない場合でも、
管轄外本店移転をする場合は印鑑(改印)届書の提出が必要
です。
これは、新しい本店所在地の法務局に
「新しい印鑑はこれですよ」とお知らせするためだけのものなので
代表者の実印での捺印や印鑑証明書の提出は不要です。

改印する場合は、
いつも通り委任欄に代表者の実印を押して印鑑証明書を添付します。

印鑑カード交付申請書

管轄外本店移転をすると、今持っている印鑑カードが使えなくなります。
なので、印鑑カード交付申請書を提出して
新しい印鑑カードを交付してもらいます。

印鑑カードの交付についてはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

申請書の書き方は、申請するときに落ち着いて考えたら問題ありません。

問題は、お客様にいただく捺印書類に漏れがないか
ということです。

☐ 委任状が2通必要
☐ 印鑑変えなくても印鑑(改印)届書が必要
☐ 印鑑カードが使えなくなるので交付申請書が必要

この3点をしっかりおさえて
「すみません、もう1枚印鑑お願いします」
ってならないように気を付けたいところです。

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